博物館での写真撮影について その5 どぐうぐるDBの開発について
昨日、考古学・文化財のためのデータサイエンス・サロンonline#15を拝聴したので、今回は私の思いを少し書いておこうかと思います。
今回は、第5回めです。これまで同様に、私自身のポジションを明確にしておきたいと思います。
- 写真はできたら撮影したい
- 撮影した写真は、SNSやブログなどで自由に使えたら嬉しい
- 施設ごとに方針を明示して欲しい
こんな感じです。私自身は、写真撮影は許可されるべきだとも思っていません。今回のオンラインサロンでも触れられていましたが、「態度を明確にしてほしい!」という最多数派です。これまで4回の記事は、以下のとおりです。
- 博物館での写真撮影について その1 とにかく方針を明確にして欲しい!
- 博物館での写真撮影について その2 写真を撮らせると図録が売れない?
- 博物館での写真撮影について その3 個人利用ってなんだ?
- 博物館での写真撮影について その4 悪質な二次利用
今回は、どぐうぐるDBの開発についてです。私の場合は、Webサービスを作って、勝手に博物館のPRをしたいというかなり特殊な立場です。そんなわけですので、今回は一利用者の視点からは、少し離れてしまうかもしれません。
撮影禁止?!
正直なところ土偶や縄文時代に興味を持ち始め博物館めぐりを始めた当初、世の中に写真撮影禁止の博物館が、あるということに気づいてすらいませんでした。これは、それまでの私の興味が、自然史系や化学系の博物館に偏っていたことも影響しているかもしれません。
とにもかくにも写真の撮影が、こんなにもややこしい問題だとは気づいてもいませんでしたので、お気楽にブログに写真を掲載し、ついでに「どぐうぐるDB」の開発作業をすすめていたわけです。
そうこうするうちに、さすがの私も、写真の撮影や利用については、慎重に対応しなければならないなと気づき始めたわけです。そんな時に、ちょっとした事件が起こりました。
突然叱られた
ブログをはじめ、どぐうぐるDBへ登録するための情報提供をあちこちの博物館にお願いしていた時に、その事件は起こりました。突然知らない番号から電話がかかったきたのです。電話の相手は、某地方の教育委員会の方でした。
電話の主の主張は、
- 勝手に情報発信をするな
- 事前に許可をとれ
- 間違った情報発信をされると困る
という3点でした。正直、いまだにこの主張については、まったく納得してはいません。
文字ですら禁止、制限するの?
正直なところ、写真ならなんとなく理解できるのですが、文字情報の発信ですら規制しようとするのかと、この件は大変衝撃的でした。これ以外にも情報利用に関する許可申請書を出してくれと言われたこともありました。
「どぐうぐるDB」で表示している情報は、基本的にはGoogle Maps APIから取得しているものです。紹介文についても、まあ大したことは書いていません。そんなことでクレームを受けるとは、夢にも思わなかったのでたいへん驚いたのでした。
念の為、書いておきますが、もちろんこういう反応は、ごくわずかで大多数の方は丁寧に対応をしていただいています。
誰もが満足する活動は、できません!
他にもいくつか、小さなトラブルは有りました。これまでもそうですし、今までもそうだったのですが、何がベストなのか、いつもいろいろと考えています。
「どぐうぐるDB」を作り始めるまでは気づきもしていなかったわけですが、多くの博物館が地方自治体の運営です。そのために、一部のクレーマー的な市民などにも最大限の配慮をしなければならないという事情もあることでしょう。その部分は、十分に理解できるのです。
ですが私自身が、「どぐうぐるDB」を開発して実現したい世界は、決して誰にも後ろ指を刺されるような代物ではないと確信しています。また既存の問題(博物館の情報発生の徹底的不足)を解決するためのソリューションになりうるとも考えています。
そうして、あれこれ考えた挙げ句、一つの結論に達しました。
誰もが満足する活動は、ありえない
ということです。「どぐうぐるDB」の開発は、完全に個人で行っており、誰かを気にする必要などどこにもありません。正直、もう48歳のおっさんには、誰かを気にして手を止める余裕などありはしないのです。だから、これからは時間を無駄にすること無く、前に進みたいのです。
これからは好き勝手にやらせてもらうぜ!!
まあ、そんなわけで、以上が建前です。本音のところは、「どぐうぐるDB」は私自身にとって、どうしても必要なWebサービスなので、絶対に開発の手は止めないということです。写真投稿できるようにしたら、いろいろと波風立つかなと思ったりはしますが、それでも写真投稿機能の実装をはじめました。おそらく来週末には、オープンコメントにも写真が投稿できるようになります。
その先も最大限の配慮をしながら、私自身が実現したい世界を目指して、好き勝手に開発を進めたいと思うのであります。というわけで、批判の声には耳を傾けますし、できるかぎりの対応はします。底の部分は、しっかりやらせていただきながら、
これからは好き勝手にやらせてもらうぜ!!
という48歳おっさんの決意表明でした。