東京都埋蔵文化財センターを訪問してきたので紹介したいと思います。こちらは東京のベットタウンである多摩ニュータウンに所在しています。かつて縄文人がたくさん暮らした場所で、長い時を経て再び人が暮らしを営み始めた。そう考えると不思議な気持ちになりますね。
東京都埋蔵文化財センター
名称:東京都埋蔵文化財センター
所在地:東京都多摩市落合1丁目14−2
開館時間: 年末年始他、要確認
入場料:無料
土偶の有無:多数の展示あり、多摩ニュータウンのヴィーナス他
ホームページ:リンク
展示物
多摩ニュータウンの造成工事を行う際に出土した遺物が多数展示されています。なかでも縄文時代の遺物の展示は、非常に充実しています。館内入ってすぐに気になったのが、こちら2点の縄文土器たちです。土器を母体に見立てる風習は世界中に見られるそうですが、顔がつけられていたり、丸みを帯びたデザインは、やはり女性的なものを感じます。
土偶たちと共通した要素もよく見られますし、単なる調理器具や道具を超えた重要な祭祀に関わる道具だったのでしょう。
続いて石器類です。真ん中あたり磨製石斧の形がとても美しいですね。実用品なのにこんなにきれいに残っているということは、実際には使われずに残っていたものでしょうか?とても気になります。
縄文土器も時代ごとに数多く展示されていました。ガラス越しではなく直接観察できるのが、本当に嬉しいです。やはりガラス越しとは、どうしても迫力が違います。
土器も土偶も素人目にみて面白くなるのは、やはり縄文時代中期(約5,000~4,000年前)ではないでしょうか?装飾が過剰になり、明らかに実用性を阻害する口縁部の装飾などは、込められた思いだけでなく、どのように使用していたのかなど想像を掻き立てられます。
土偶
最後に土偶を紹介したいと思います。まずは小さな土偶さん達から。個別には、いつごろの出土品か明示されていなかったのですが、多摩ニュータウン遺跡からは縄文時代中期後半の出土が多いそうです。
最初のグループは、顔が省略されています。どれも5cm大で、体には非常に細かな線刻が刻まれています。また腕を大きく広げて、空を見上げるようなポーズにも見えます。
そして足は、4本足?かなり特徴的ですね。どうしても立たせて置く必要があったのでしょう。そするとやはり手を広げて空を見上げるポーズには、強い思いが込められているように思えてなりません。
次のグループは顔有りです。足も普通の2本足になっていますが、それでも腕を広げて空を見上げているポーズは変わりません。こちらも時代が明示されていなかったので、顔なしグループと顔有りグループの関連はよくわかりませんでした。いつか質問してみたいですね。
ちなみに右下の土偶は空洞になっていて、振ると音がするそうです。おそらく土鈴のようなもので、他の土偶たちとは目的が違っていたのかもしれません。