ペンダント土偶
今回は、岐阜県飛騨市の飛騨みやがわ考古民俗館に展示されている土偶を紹介します。こちらの博物館には、4点の土偶が展示されていますので、一つづつ紹介していきたいと思います。
今回紹介するのは、適当に作りましたという雰囲気が、どことなく漂うこちらの土偶です。先日紹介した土偶と同じように、砂粒のようなもが混ぜ込まれていますね。形も左右均等ではなく、頭も少し傾いています。顔は、いちおうちゃんと作られているのですが、表情がなく薄い印象ですね。いったい、この土偶はどのような目的で作られたのでしょうか?その謎を解くヒントが!
時代
縄文時代中期後葉
この地域では後期から晩期にかけて土偶が廃れ、石器を用いた祭祀に移行したとのこと。
発掘遺跡
宮ノ前遺跡
全国遺跡総覧から座標を取得しました。国道工事に伴った調査だと思いますので、正しい位置はもう少し西じゃないかと思います。
展示されている博物館
飛騨みやがわ考古民俗館に展示されています。開館日が非常に少ないため、訪問する際は事前に飛騨市のホームページで確認してください。
コメント
今回は、飛騨みやがわ考古民俗館に展示されている土偶の紹介でした。この土偶が、どのような目的で作られたのか?そのヒントは、この土偶に明けられた穴にあります。下の写真の通り、この土偶の頭には、横方向に貫通した大きめの穴が明けられているのです。
この穴には、紐がとおされ、ぶら下げられるようになっていたのだと考えられます。ぶら下げる場所は色々ありそうですが、私は首からぶら下げてペンダントのように使われていたのではないかと想像しました。写真ではわかりにくいのですが、こちらの土偶はちゃんと胸があり、やはり女性をモチーフにしたものです。ですから女性用のお守りのような使われ方をしていたのではないでしょうか?そう考えると、やっぱり貴重なもの?適当に作ったとか言って、申し訳ありませんでした!
こちらの土偶にも3Dモデルが存在しており、グリグリ回して観察できますので、是非どうぞ。