土偶ってなに?
土偶は縄文時代に暮らした人たちが作った土製の陶器人形です。人形というくらいですから、人の形をしています。土偶にあまり興味がない人でも知っている遮光器土偶や国宝土偶五点などは、人っぽい形をしています。とは言っても、遮光器土偶などは、完全に宇宙人っぽい見た目ですし、いわゆる人間の形を模したものではありません。おそらくは何らかの精霊や神様などを象ったものであろうと考えられています。だからその見た目は、バリエーション豊かで不思議なものばかりです。現代でも通じるほどデザインが素晴らしい土偶もあれば、冗談で作ったとしか思えないようなユーモラスなものもたくさんいます。そういう土偶たちとの思いがけない出会いこそ、土偶の魅力なのかも知れません。
土偶は何のために作られたの?
土偶を作った理由はこれだ!っとはっきりとしたことを言うことはできません。何しろ文字がない先史時代に作られたものなので、推測するしかないのです。ただし全く手がかりがないと言うわけでもありません。
一緒に残された遺物からの推測、それから日本の過去の風習の研究、それから原始的な生活をする人たちの研究などを通して、推測することができるのです。
そのような研究の結果、一つの節として出産の無事や繁栄を願うために作られたのではないかと言うものがあります。
実際、土偶は明らかに女性をモチーフにしたものがたくさんみられます。また妊娠線が表現されていたり、お腹が膨らんでいたりするものがあるのです。
一口に土偶と言っても、これまで発見されただけでも2万点を超えています。目的も様々に異なっていたことでしょう。作られた目的を自由に想像することも、土偶の魅力なのかも知れません。
土偶はどんなふうに使われていたの?
種類がたくさんあるだけに、その使われ方も様々だったと考えられています。小型の土偶はお守りとして。穴付きのものは、住居の中にぶら下げて。人の目に触れる広場などに展示していたなどなど様々に使われていたのだと推測されています。
壊れた状態で発見されることも多いため、かつては壊すために作られたとも考えられていました。実際、明らかに壊してから埋められた物もありますし、カケラが集落内の複数の住居跡から発見された例も存在しています。それでも壊すために作られたかどうかについては、意見が分かれるようです。
土偶がどのように使われたかについては、様々な説があります。ですが文字が無い時代のことですので、残されたものからあーでもない、こーでもないと推測するしかないし、本当のところは誰にもわからないというのが実情なのです。だからこそ想像が膨らみ面白いとも言えるのです。
まとめ
- 土偶は縄文時代の人々が作った土製の陶器人形
- 土偶の形はバリエーション豊か
- 土偶が作られた目的は様々。出産の無事を願ったと思われるものがたくさん。
- 使い方は謎。壊すために作ったかわけではないかも?
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