土偶 Vs 埴輪

土偶を知るための記事

土偶 Vs 埴輪

土偶って古墳の上に並べられていたやつですよね?土偶が好きだと言うと、結構こう言う質問をされます。古墳に並べられているものは、埴輪(ハニワ)で土偶とは全く違うものです。土偶と埴輪(ハニワ)は、作られた時期も目的も全く違うのです。これから土偶と埴輪の違いについて、少しだけ勉強してみましょう。

作られた時代は?

土偶が作られたのは、縄文時代のことですので1万5千年から3千年前のことです。一方、埴輪(ハニワ)は古墳時代ですので1千7百年から1千3百年前ですので、比較的に最近作られたと言うことになります。もちろん最近といっても大昔の遺物であることにかわりはありません。文化的という意味では、土偶は最も古い時代に作られた遺物と言えるでしょう。

余談になりますが、古墳時代についても歴史的には、謎がたくさんです。全国には16万以上の古墳が見つかっているにもかかわらずです。理由は、文字として残された情報が少ないことと、重要な古墳の多くが皇族の墓として指定されていて十分な発掘がされていないからなのです。古代史好きとしては、少し残念な気がします。

何のために作られた?

土偶が作られた大きな目的の一つは、出産に関するものだと考られます(参考:土偶は女性なの?)。縄文時代に暮らす人々にとって(実際には抗生物質が発明されるまでの人々にとって)子供がたくさん生まれてくることは、非常に切実な願いでした。土偶はその願いが込められているのです。つまりはその集団に暮らす人たち全員のために作られた物です。

一方で埴輪は、王や権力者の墓を飾るために作られた物です。死者の安寧を願うと言う気持ちは込められていたのでしょうが、むしろ権威を周囲に示すという目的が強いのです。

例えば古事記を読むと神秘的な神代の世界を描いた上巻、人の世を描いた下巻、そして神代から人の世へと移り変わる中巻という構成になっています。この例にならうと縄文時代はまだまだ神代の時代といえるでしょうが、古墳時代は神代から人の世へと移り変わった時期といえるでしょう。

つまり縄文時代に作られた土偶は、不思議な力を期待して作られたのに対し、埴輪はより現実的な目的のために作られたといえるでしょう。

まとめ

  • 土偶は縄文時代。埴輪(ハニワ)は古墳時代。
  • 土偶はみんなのために、埴輪(ハニワ)は権力者のために作られた
  • 土偶には不思議な力を、埴輪(ハニワ)には現実的な効果を期待
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