里帰り縄文ビーナス
少し前の話にはなりますが、東近江市埋蔵文化財センター企画展「里帰り縄文ビーナス」を見学してきましたので、紹介したいと思います。ちょっとややこしいのですが、「縄文ビーナス」は滋賀県の相谷熊原遺跡から出土した土偶であり、長野県の棚畑遺跡から発掘された「縄文のビーナス」とは時代も見た目も大きさもまったく異なる別の土偶です。
※期間限定の展示でしたので、すでに展示は終了しています。
東近江市能登川博物館
開催場所は、以下の通りでした。
名称:東近江市能登川博物館
所在地:滋賀県東近江市山路町2225
開館時間:水曜日~日曜日 午前10時~午後6時
休館日:月曜日・火曜日・毎月第4金曜日・国民の祝日・年末年始・特別整理期間等
入場料:入館無料
ホームページ:リンク
縄文ビーナス
メインの展示は、タイトルどおり10年ぶりの里帰り展示となった「縄文ビーナス」です。こちらの土偶は、縄文時代草創期の土偶ということですので約13000年前に制作されたものということになります。日本から出土した土偶としては、最古級なのだそうです。高さ3.1cmということですので、最小ではないようですが、それでもかなり小さな土偶ということになります。
非常に古い土偶であるためか、作りは非常にシンプルです。頭と足は作られていません。足はありませんが、そこが平らに作られていますので自立させることができます。首の位置には、深い穴が開けられており、この部分に何か(頭?)が差し込まれていたのではないかと考えられているようです。
非常に古いものですが、あとの時代の土偶と比較すると、非常にリアルに作られています。腕すら作られていないのに、おっぱいだけは立派に作り込まれており、この土偶が間違いなく女性をモチーフにしていることを現しています。
その他の展示
その他の展示として東近江市内の遺跡から出土品も展示されていました。正楽寺遺跡の土面と能登川石田遺跡の土偶2点です。どちらも縄文時代後期の作とのことです。上写真左側の土偶の首周りの刺突紋は、首飾りを模したのでしょうか?それにしても、無理やり立たせるために作ったのか、短すぎる足が妙に愛らしいです。そしてこちらの土偶も、けっこう立派なおっぱいです。あえて誇張して作られたということでしょうから、子育てのための重要な要素として、非常に重要視されていたということなのでしょう。
運良く閉会前にネットで情報を見つけたので、運良く滑り込みで見学させていただくことができました。縄文ビーナスは、非常に小さい土偶ではありますが、一度は見てみたいと思っていましたので、今回は非常にラッキーでした。
次の展示がいつになるかはわかりませんが、土偶好きの方にはチャンスが有れば、必ず見てほしい素晴らしい土偶です。次のチャンスを心待ちにしましょう。