一宮市博物館「発掘された日本列島2020」

一宮市博物館 展示会訪問記
一宮市博物館

発掘された日本列島2020

毎年開催されている「発掘された日本列島」の2020年の展示を見てきました。今回は、愛知県一宮市の「一宮市博物館」が会場でした。私は、去年から見学させていただいていますが、平成6年にはじまり26回目になるそうです。まだ2回めの参加なのでよくわかりませんが、去年と比較すると縮小しての展示のように思えました。

なお今回写真撮影はOKでしたが、個人利用に限るとのことでしたので写真の掲載はありません。

一宮市博物館での開催は、12月27日ですのでまもなく会期が終了します。お早めに参加いただければと思います。

一宮市博物館

開催場所は、以下の通りでした。

名称:愛知県一宮市博物館
所在地: 愛知県一宮市大和町妙興寺2390
開館時間:午前9時30分から午後5時(なお入館は午後4時30分まで)
休館日:毎週月曜日(ただし、休日に当たる場合は翌日を休館)
    休日の翌日(ただし、土曜日・日曜日または休日の場合は開館)
    年末年始(12/28~31、1/1~4)
ホームページ:リンク

展示内容

「発掘された日本列島2020」自体の展示は、3つにわかれて構成されていました。

  1. 新発見考古速報展
  2. 特集1 日本の自然が育んだ多様な地域文化
  3. 特集2 記念物100年ー我がまちが誇る史跡・名勝・天然記念物ー

ここでは「新発見考古速報展」と「特集1 日本の自然が育んだ多様な地域文化」のうち縄文時代の展示についてレポートしたいと思います。

新発見考古速報展

縄文時代の展示として新潟県の石船戸遺跡からの出土品が、展示されていました。この遺跡からの出土品は、アスファルト関連の遺物が多数見つかっているようで、アスファルトの使用例が集中的に紹介されていました。縄文時代にアスファルトを使用というのは、少し不思議な気もしますが、日本海側には原油の原産地が多くあり、地表にアスファルトが湧き出ている場所があるそうです。
縄文人たちは、アスファルトを古くから接着剤として利用し、さらには交易品として遠方まで送っていたそうです。

展示には、アスファルト利用の痕跡を残す土器や石器、それから修復痕がある土器、固定にアスファルトが使用された石鏃などが展示されていました。また欠損部にアスファルトが付着した遮光器土偶が3点展示されています。

少し前までは、土偶はわざと破壊されているという説が有力だったようです。しかし補修跡のある土偶も見つかっていますので、最近では必ずしも正しくないと考えられているようです。なんだかんだで広い日本ですので土偶の扱われ方も地域ごとにいろいろだったのかもしれません。

特集1 日本の自然が育んだ多様な地域文化

次の展示は、日本の自然が育んだ多様な地域文化です。こちらの展示は、同じ時代で違う地域の文化の違いを比較するという趣向になっています。縄文時代の展示としては、以下の遺跡からの出土品が展示されていました。

  • 北海道 ー 北黄金貝塚
  • 東北 ー 北御所野遺跡、吉野屋遺跡、是川石器時代遺跡、亀ヶ岡石器時代遺跡
  • 関東 ー 有吉北貝塚、養安寺遺跡、西広貝塚
  • 中部地方 ー 棚畑遺跡、比丘尼原伊勢、曽利遺跡
  • 関西 ー 粟津湖底遺跡
  • 九州 ー 阿高・黒端貝塚

各遺跡からの出土品を並べて比較しながら見るという体験は、なかなかに貴重な体験だと思います。見どころとしては、やはり大きな瓶類の展示だと思います。展示室に入ってすぐには、吉野屋遺跡から出土した火焔型土器と王冠型土器が展示されています。亀ヶ岡からは漆塗りの土器が展示されています。
個人的にお気に入りなのは、中部地方の各地から出土した土器類です。比較的狭い地域にも関わらずバラエティー豊かで見ていて飽きません。

おみやげ

ミュージアムショップでおみやげを買いましたので、ちょっとだけ紹介します。まずTシャツです。個人的に好きな山形土偶(右上)も縄文のビーナス(左下)もいて、いい感じです。せっかくなので暖かくなってから着ようと思います。
もう一つは、発掘された日本列島2020のガイドブックです。今回、会場で買ったのですが、これは行く前に買って予習しておくべきですね。来年からは、そうしたいと思います。

Tシャツ

リンク

今回はコロナ禍ということもあり、会場を訪れることができない人たちのための動画が文化庁により作成されています。会場に行く方も行かない方も、ぜひ見ていただければと思います。

タイトルとURLをコピーしました