土偶は女性なの?

土偶を知るための記事

土偶は女性なの?

土偶の多くは、女性をかたどった物だと考えられています。すべてに女性の特徴があるわけではないのですが、たくさんの土偶にはおっぱいのように女性をイメージさせる特徴がみられます。このため土偶は女性をモチーフにしていると考えられるのです。そもそも女性は、不思議な力を持っていると考られていたようです。卑弥呼も女性であり、そしてシャーマン(呪術師)であったようですし、神話に登場する天照大神(あまてらすおおみかみ)も女性です。これは女性だけが持つ能力に関係があると考られます。

土偶はなぜ女性を象ったの?

女性をかたどった土偶には、妊娠線やお腹の膨らみといった特徴を示す物も少なくありません。中には、まさに出産しようとする状態、股間から赤ちゃんが生まれ出る瞬間を写しとったと考られる土偶すらあります。
つまり土偶の中には、出産に対する強い願いが込められていると考られるものが存在しているのです。研究によると、縄文時代には1組のカップルが8人もの子供を作らなければ、人口を維持することができなかったそうです。ただでさえリスキーな出産を8回以上も繰り返すわけです。しかも薬も医者もいない不衛生な環境での出産ですから、命を落とす例も少なくなかったはずです。だからこそ土偶には、出産に対する強い願いが込められているのだと考られます。

男性の土偶はいないの?

土偶に込められた願いが出産に関するものであるとすれば、男性をモチーフにしたものがあっても良さそうな気がします。
あきらかに男性をかたどった土偶もなくはありません。ところが、圧倒的に少ないというのが実情です。これは土偶には土偶の役割があったからだと考られます。つまり土偶は女性の安全に対する願いを受け止めると言う役割です。

もちろん縄文人たちも男性がいなければ、子供が生まれてこないと言うことは、十分に認識していました。妊娠、出産に関わる男性の役割も、もちろん理解していました。
ですので男性をモチーフにした遺物も残されています。それが石棒です。要するには、男性のアノ部分だけをかたどった石の棒が遺物として残されたと言うわけです。

妊娠、出産における男女の役割の不均衡を考えると、当然の結果と言えるかもしれませんが、男性の私としては、何だか情けない気持ちでいっぱいですが。。。

まとめ

  • 女性がモチーフになった土偶がたくさん
  • 土偶には出産の無事に対する祈りが込められていそう
  • 女性は土偶。男性は石棒。残念。。。
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