土偶ファイル No.0299 ミミズク?土偶

愛知県豊川市の麻生田当貝塚出土の土偶 土偶ファイル
みみずく?土偶

ぺらぺら土偶

愛知県豊川市の麻生田当貝塚出土の土偶
みみずく?土偶

今回紹介するのは、愛知県の名古屋市博物館に展示されている板状の土偶です。名古屋市の博物館に展示されていますが、出土したのは現在の豊川市(渥美半島の根元あたりで三河湾に面す)の麻生田当貝塚から出土の土偶です。

この土偶をひと目見てかなり驚いたのですが、これはみみずく土偶ではないでしょうか?下の写真が、埼玉県の真福寺貝塚から出土したみみずく土偶です。細かな部分で違いはありますが、目がまん丸で顔の縁取りに細かな線が入れられているところは類似しています。どちらも縄文後期なので、時代的にも矛盾しません。

ひょっとしたら関東方面から海沿いに移動してきた人たちからの口伝えで聞いたみみずく土偶の容姿を再現したのが、この土偶だったのかもしれませんね。

埼玉県の真福寺貝塚から出土のみみずく土偶
真福寺貝塚から出土のみみずく土偶

時代

縄文時代後期

発掘遺跡

麻生田当貝塚
詳細位置は不明でした。現在の豊川ICの南側あたり。

展示されている博物館

名古屋市博物館に展示されています。

コメント

今回紹介した土偶は、名古屋市博物館に展示されています。いろいろな地域の博物館を巡っていると、「あれ?これは、あそこのあの土偶にそっくり?でも、ちょっと作りが甘い?」的な土偶に出会うことが、よくあります。そして、「いやそれ、ちょっと違うんじゃない?」的な土偶にも。

現代のように写真を撮ってみせるなんてことはできない時代です。情報を伝達するにも、人の記憶が頼りだったはずです。だから情報が劣化して伝わったり、勘違いされたまま伝わったりするのでしょう。そしてそれが土偶のそして土器などの遺物の多様性を生み出し、理解し難く、それでいながら独特の魅力を持つものとして、現代人の心をひきつけてしまうのではないでしょうか?

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