ぴーす
今回は、南アルプスふるさと伝承館に展示されている人体文付有孔鍔付土器の「ぴーす」です。土偶じゃないと言われそうですが、土偶付き土器ということでご容赦を。というか有孔鍔付土器が大好きなので、紹介するのです。あと人面付きの釣手土器も好き。
有孔つまりは穴開きということで、土器の縁の部分に等間隔で穴が明けられています。そしてその穴の下に鍔(つば)があるので、有孔鍔付土器と呼ばれています。
この人物にもやはり、この地方の土偶の特徴が見られます。鼻と一体化したかもめ眉、目の下の二本線ですね。そして3本しかない指も、中部高地ではおなじみの表現です。そしてお腹のM字型の模様は、縄文のビーナスと類似していますね。土偶に見られる表現は、土器にも共通して見られるようです。現代人は、鍋に特別なパワーは感じにくいように思います。縄文人にとっては土器も土偶と同じくらいのパワーを持った大事なものだったのではないでしょうか?
時代
縄文時代中期中葉(4500年前)
発掘遺跡
鋳物師屋遺跡
展示されている博物館
南アルプスふるさと伝承館に展示されています。こちらの博物館は、行くとかなりの確率でスタッフさんが、展示解説をしてくれます。最高の博物館なので、博物館好きな方は、ぜひ!
コメント
今回紹介したのは厳密には土器ですが、大好きな縄文土器の一つなので紹介させてもらいました。有孔鍔付土器は、比較的にたくさん見られる土器で人体文がつけられたものも、それなりに見つかっています。
この土器の用途については謎ですが、太鼓説と酒造器説の2つが有力視されています。というか本当は、酒造器説が優勢です。それでも私は、太鼓説押しなのです。だって縄文人が、こんなに楽しそうな土器を使って音楽を奏でていたら楽しそうじゃないですか?