土偶ファイル No.0002 仮面の女神

仮面の女神 土偶ファイル
仮面の女神

仮面の女神

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仮面の女神

仮面の女神も言わずと知れた国宝土偶であり、縄文のビーナスとともに尖石縄文考古館に展示されています。身長は34cmもあるそうですので、土偶としてはかなり大型の部類に入ります。手や体は、シンプルな作りながらも、細かな文様が沈線と刺突文で刻まれています。
渦巻が多用されていて、おへそと思われる突起が印象的です。見た目は女性っぽくないのですが、女性器がはっきりと作り込まれており、この土偶もやはり女性をかたどったものであることがわかります。

どっしりした足が特徴的で、やや右足が前に出ているでしょうか?故意に右足が壊された状態で、お墓と考えられる場所から発掘されたそうです。顔が特徴的ですが、三角形の板状で、紐のようなもんで固定されているような造形があることから仮面をつけた表現であると考えられています。仮面をつけていると考えられる土偶は、中部高地(長野から山梨にかけた地域)ではいくつか見つかっています。

時代

縄文時代後期前半(約4000年前)

発掘遺跡

中ッ原遺跡(なかっぱらいせき、長野県茅野市)
遺跡があった場所は中ッ原縄文公園として整備されています。仮面の女神の出土状況を再現した露出展示や木柱列の再現などがあります。冬季は閉鎖されているようです。

展示されている博物館

尖石縄文考古館に展示されています。縄文のビーナスを含む国宝土偶が2点展示されています。

コメント

縄文のビーナスと仮面の女神の発掘された遺跡は、直線距離で約4kmほどしか離れていません。しかしその間には、約1000年程度の時間の隔たりがあると考えられています。縄文のビーナスがより古く、後になって仮面の女神が作られています。

そして2つの土偶の見た目は、まったくと言ってよいほど異なります。柔和な印象の縄文のビーナスに対し、仮面をつけて不思議な文様の衣装(もしくは入れ墨)をまとった仮面の女神。縄文時代後期には寒冷化により食糧事情が悪化したため、より強い呪術的な願いが必要になり、このため仮面の女神が必要とされたと考えられているそうです。

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