縄文時代とは?
今回は、縄文時代とはどんな時代だったのかを考えてみたいと思います。縄文時代という言葉は、日本独自の時代区分で、世界の歴史に当てはめると新石器時代に該当します。旧石器時代が打製石器を使用した狩猟採集型の移動生活で、それに続く縄文時代は磨製石器を使用し定住生活に移行し始めた時代ということになります。
最も象徴的な変化は、土器を使用し始めたことと言えるでしょう。土器が発明されたことにより食料の保存や調理が可能になり、定住生活が実現したのです。最近では、農業が営まれていた可能性が指摘され始めていますが、狩猟採集が生活のベースになっていたのだと考えられています。縄文時代は、人類が人間らしい暮らしを始めた時代と言えるでしょう。
いつから縄文時代?
いつから縄文時代かという点については、大きく分けて3つの解釈があります。土器の出現、土器の一般化、そして縄文的生活の定着の3つです。いまのところ発掘されている最も古い土器は約16000年前のものされていますので、土器の出現をもって縄文時代が始まったとする説をとれば、このときから縄文時代が始まったということになります。ちなみに縄文土器は、日本独自に発明されたものだと考えられています。これは日本の土器が世界的に見ても非常に古いもので、しかも伝播してきたと仮定した場合に想定されるルート沿いには、日本より古い土器が発見されていないためです。
いつまで縄文時代?
それでは縄文時代は、いつ終わったのでしょうか?縄文時代の次は、弥生時代です。私が子供の頃は、弥生時代は稲作と弥生式土器の使用の2点セットで教えられていました。ところが縄文時代にも一部の地域で稲作が行われてきたことが明らかになりました。また地域ごとに文化が広がる速度や時期が、大きく異なります。このような状況から縄文時代と弥生時代を明確に区分することが難しくなって来ています。このため明確にいつまで縄文時代とは言えないのが、実情なのです。ですのでだいたい3000年前くらいまでが、縄文時代だったと思っておけばよいでしょう。
また日本全国が稲作へと移行したわけでは有りませんでした。北海道を中心とする寒冷な地域は稲作に適さず、7世紀ごろまで縄文時代的な暮らしが続けられていました。この時代のことを続縄文時代と言います。
まとめ
縄文時代から弥生時代への移り変わりのきっかけが、本格的な農耕のはじまりだったことは間違いないでしょう。本格的な農耕を始めることにより、社会が大きく変化したのは事実です。1万年に渡り、あまり変化がなかった暮らしが、農耕によって一変します。
ですがその変化は、一朝一夕に起こったわけでもなく長い時間が必要でした。またいまとは比較にならないほど情報伝達のスピードが遅いため、日本中に農耕が広がるのにも非常に時間がかかりました。
いっぽうで縄文時代もそれに続く弥生時代もあとの時代の私達が区分しようとしているだけです。古代に暮らした彼らにとってみれば縄文人も弥生人もなく、ただただ毎日を懸命に生きている人たちがいただけのことです。あえて分けようとするのもおかしなことなのかもしれませんね。