おなかぽっこり土偶
今回は、埼玉県立歴史と民俗の博物館に展示されている土偶の紹介です。クリスマスも終わりましたので、心置きなく素朴な土偶を紹介できます。今回は、縄文時代中期の素朴な土偶です。系統としては、以前紹介した八王子市の土偶達と同じでしょうか?時代も同じようです。
線刻はわりとシンプルですが、胸とお腹のポッコリの中間に四角い模様が刻まれているのは、長野県の井戸尻から東京都の八王子、そして埼玉県の所沢という非常に広範囲で共通する特徴ですね。人の交流があったのは間違いないでしょうが、いったいどんなルートで?どんな方法で?というところが、気になりますね。いつか自分の足で歩いてみたいものです。
時代
縄文時代中期
発掘遺跡
所沢市膳棚遺跡
展示されている博物館
コメント
今回は、埼玉県立歴史と民俗の博物館に展示されている土偶の紹介でした。とても小さくて、それでいてしっかりと女性であることを主張した姿をした土偶です。おなかぽっこりも、妊娠状態であることをしっかりと主張していますね。
いつも言っていることですが、縄文女性の妊娠出産は、文字通りの命がけです。恐怖も期待も、そして出産に望む思いの強さも、現代に住む私達には、まったく想像できないレベルのものだったことでしょう。そしてその危険は、ほんのつい最近まで続いていたのです。
命がけで出産に挑んだ女性たちがいたからこそ、我々は現代に生まれ生活を楽しむことができているわけです。だから僕は、この世で一番尊いのは女性だと思うのです。