キョニュー土偶
本日紹介する土偶は、相谷熊原遺跡から発掘された小さな小さな土偶です。なんと縄文時代草創期後半とのことですから、約13000年前に作られた土偶ということになります。想像を絶するほどの大昔に作られたもので、奇跡的に完全な形で発掘されたことになります。全長は、たったの3.1cmとのことですから、よくぞ石ころと間違えて捨てられなかった!という感じですね。
頭と下半身は無く、上半身だけが作られたシンプルな土偶です。首の部分には、先の尖ったもので開けられた穴が空いています。頭になるようなものが刺さっていたのかも知れませんね。非常に小さくてシンプルなのですが、それでもはっきりと胸の表現があり、この土偶が女性として作られたことがわかります。
上半身しか無いのですが、平らなところに置くときちんと座るところも面白いです。こんな大きさですが、竪穴式住居内にでも飾られていたのでしょうか?
時代
縄文時代草創期後半(約13000年前)
発掘遺跡
相谷熊原遺跡
現地は住宅地になっており現在は何も無いと思われます。
展示されている博物館
企画展で滋賀県能登川博物館に展示されましたが、現在は展示されていないかと思います。
コメント
私はおっさんなので、土偶の胸の位置や大きさ、形には重大な関心があるのだ!つい先日も書いたけど、とにかくあるのだ!この土偶は、間違いなくキョニューです。13000年も前に作られたのに、はっきりと女性と分かる造形で作られていて、しかも美しいのです。
この土偶が作られたこと、破壊されずに残ったこと、そして見逃されずに発掘されたこと。全てが奇跡ですね。