土偶ファイル No.0301 へそだし土偶

岐阜県美濃加茂市から出土した土偶の胴部 土偶ファイル
へそだし土偶

へそだし土偶

岐阜県美濃加茂市から出土した土偶の胴部
へそだし土偶

今回紹介するのは、愛知県の小さな博物館の「荒木集成館」に展示されている縄文中期の土偶です。出土地の詳細は不明でしたが、岐阜県美濃加茂市とのことです。美濃加茂市は、飛騨川と木曽川の合流地点の北側にあたり、そのため古代から交通の要衝として栄えていたようです。飛騨川を遡ると下呂に行き着きますが、下呂が産地である下呂石は、日本の各地から石器として加工されて見つかっています。

さて、こちらの土偶は、胴体だけで他の部分は、失われています。お腹の中央には、2本の粘土ヒモで妊娠線らしきものが表現され、末端をくるりと丸めておへそを表現しているようです。欠損した上側の部分にも区画があり、その中に縦線が刻まれていますが、大部分が失われているので、どのような模様だったのかは、不明です。残念。

時代

縄文時代中期

発掘遺跡

出土地不明。岐阜県美濃加茂市とのこと。

展示されている博物館

荒木集成館に展示されています。荒木集成館は小さな博物館で金土日だけの営業です。1階の特別展示室では、かなり頻繁に小さな特別展を開催していて、おすすめの博物館です。

コメント

今回紹介した土偶は、荒木集成館に展示されています。おへそを強調した表現は、土偶には多く見られるようです。この土偶も2本線の末端をくるりと丸めて、おへそを表現しています。子宝の女神ラヴィもくるりの向きは逆ですが、類似した表現がされています。

おへそは、親と子がつながっていた場所です。重大なパワーを秘めた場所と考えられていたのでしょうね。

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