にっぽん全国土偶手帖
読んで面白かった、ためになった本のブックレビューです。今回は、譽田亜紀子さんと武藤康弘先生の共著の「にっぽん全国土偶手帖」です。
本の中に出てくる土偶情報が多いほど、ブックレビューのタイトル写真の土偶の人数が増えます。土偶情報満載の書籍では、国宝土偶が5人勢揃いします。
書籍情報
書籍名:にっぽん全国土偶手帳
著者:譽田亜紀子、武藤康弘
出版社:講談社
目次(「BOOK」データベースより)
お洒落番長ー中空土偶・茅空ー北海道函館市・著保内野遺跡/模倣系?-土偶ー北海道室蘭市・輪西町/カオナシー板状土偶ー北海道千歳市・美々4遺跡/ヤーヌスちゃんー双顔土偶ー北海道函館市・日吉遺跡/唇セクシーー合掌土偶ー青森県八戸市・風張1遺跡/にゃおーんー板状土偶ー青森県東津軽郡蓬田村・山田(2)遺跡/十字のムンクー大型十字形土偶ー青森県青森市・三内丸山遺跡/ちびっこ軍団ー小型十字形土偶ー青森県青森市・三内丸山遺跡/てつこさーんー土偶ー岩手県北上市・九年橋遺跡/ウルトラの母でございますー遮光器土偶ー岩手県二戸郡一戸町・蒔前遺跡〔ほか〕
概要
簡単に言うと土偶のガイドブック的な書籍で、どこでどのような土偶が発掘され、どこで見学できるのかということが紹介されています。
日本全国から発掘された土偶50体をピックアップして紹介しています。紹介されている土偶には、それぞれユニークなニックネームがつけられており、たとえば青森県で発掘された国宝の合掌土偶は、「唇セクシー」としうような感じです。説明文は、ゆるいといえばゆるいのですが、武藤先生が監修していますので、しっかりとポイントは抑えられています。土偶の入門書として、最適ではないでしょうか?
感想
最初から最後まで、とにかく癖の強い土偶が集められています。全国で20000体も発掘されている土偶から、たったの50体を選びだしたわけですから、たいへんな作業だったのではないでしょうか?
ちなみに「どぐうぐるDB」のアイデアは、この本がベースになっています。本書は良書だとは思うのですが、情報のボリュームとして物足りないと感じたのは事実です。また他の分野(食とか観光など)であれば、ネットで検索すれば、たくさんの情報を入手できます。残念なことに、土偶や縄文時代にかんしては、ある博物館に土偶があるのかないのか、縄文時代の遺物が展示されているかどうかすら検索で知ることができません。まだまだ情報量が不足しているのですが「どぐうぐるDB」がそのような情報を提供する場になれればと思っています。
ちなみに本書は入手が困難なようで、中古でしか購入できないようです。なんとか再販してもらえるとよいのですが。。。