泣いてなんか無いよ土偶
泣いてなんか無いよ!と言ってはいますが、その表情はどこか物悲しげです。そして目の下の二本線は、流れ落ちる涙を表現しているようにも見えます。この目の下の二本線は、中部高地の土偶ではわりとよく見られる表現で入れ墨を表現しているのではないかと考えられているようです。
ところでこの土偶、鼻の穴が一つしかありませんね?鼻の穴が一つは、わりとあちらこちらで見られます。そういうところは、手を抜かずにきちんと作って欲しいですよねー。
時代
不明
発掘遺跡
松島・中山遺跡(詳細位置不明)
箕輪町郷土博物館のあたりのようです。
展示されている博物館
箕輪町郷土博物館に展示されています。こちらは超絶オススメの博物館です。正直なところ外観はかなりくたびれているのですが、中には入れば素晴らしい縄文土器、土偶がてんこ盛りです。
コメント
目の下に二本線のある土偶たち。泣いているように見えるからか、どの土偶もどこか悲しげに見えます。考えてみれば縄文時代の女性たちは、まさに命を削って我が子を生み出していました。そして理不尽な自然の力や病によって、あっさりと我が子を奪い去られていました。
そういった経験は運が悪い人に起こるものではなく、ほとんど全ての女性が経験したはずです。土偶は妊娠した女性をかたどったものが多いとされていますが、だとするなら簡単に命を奪い去られる悲しみが、土偶の顔に表現されていても不思議ではないのかも知れませんね。